ウィンバリー(Wimberley)は、オースティン近郊の人口約3000人の小さな町です。この町にはブランコ・リバー(Blanco River)やサイプレス・クリーク(Cypress Creek)といった清流が流れており、古くから人々に自然を楽しむ場所として愛されてきました。また、活気ある芸術と文化のシーンを持つこの町は「ヒルカントリーの宝石(Gem of the Hill Country)」とも呼ばれています。
ウィンバリーは、1850年代にこの地にやってきたヨーロッパ人の開拓者プレザント・ウィンバリー博士にちなんで命名されました。温暖な気候と肥沃な土壌、豊かな水質資源に恵まれたこの地は、古くから綿花、穀物、果物、野菜など多くの農産物が生産されてきました。ウィンバリーはやがて周辺地域の農業コミュニティの中心地となり、1880年に近隣の町カイルに鉄道が開通すると、さらなる発展を遂げていきました。
20世紀中頃になると、芸術家たちがコミュニティを築いていきました。著名な彫刻家のバック・ウィン(Buck Winn)などの芸術家がこの地域に定住し、町は徐々に芸術的な雰囲気へと変わっていきました。現在、ウィンバリーには数多くのギャラリーやアートスタジオが並び、アート・フェスティバルが開催されるなど、芸術の町としても知られるようになりました。
また、アーティストたちを惹きつけた美しい自然もこの町の大きな魅力です。ブランコ・リバーやサイプレス・クリークといった美しい川沿いにつくられたブルー・ホール・リージョナル・パーク(Blue Hole Regional Park)やジェイコブズ・ウェル(Jacob’s Well)といった水辺の自然公園があり、それらは住人たちやこの地を訪れた人たちの憩いの場になっています。
ウィンバリーの食のシーンも注目されています。この地の農家を支えるため、レストランやカフェでは地元産の新鮮な食材を積極的に使用しています。季節ごとに収穫される食材を使った料理が提供されるほか、ワイナリーや醸造所、蒸留所も多く存在し、テイスティングイベントやツアーも行われています。ダウンタウンにはショッピングやギャラリーが点在し、レストランやカフェも軒を連ねています。例えば、サイプレス・クリーク自然保護区(Cypress Creek Nature Preserve)を見渡せるCreek Houseや地元の人気店であるWimberley Caféなどでは、自然豊かな雰囲気を楽しみながら食事ができます。
ウィンバリーは車でオースティン(Austin)から約1時間、サン・アントニオ(San Antonio)からは2時間弱で訪れることができます。この町ではぜひ宿泊をし、自然に囲まれた環境でリラックスしたひとときを楽しむのがおすすめです。
Wimberley
Address: 14100 Ranch Rd 12, Wimberley, TX
Web Site: Wimberley
photo: ©KURUMAG