San Luis Obispo | シティガイド：ロードトリップには欠かせないモーテル発祥の地

東側にサンタルシア山脈、西側には太平洋が広がる自然に囲まれた美しい町サン・ルイス・オビスポ（San Luis Obispo）は、サンフランシスコ（San Francisco）とロサンゼルス（Los Angeles）の中間点に位置します。地元の人からは”SLO”の愛称で呼ばれるこの町は、1700年代後半のスペイン統治時代にカリフォルニアを統治する場所として始まった歴史ある町です。そして自然のアクティビィや美味しいワインなどで人気のこの町は、カリフォルニアのロードトリップの歴史と深い繋がりを持つ場所でもあります。

アメリカにモータリゼーションの波が押し寄せ、人々のクルマによる移動機会が増え、クルマでの旅を楽しむようになりました。サン・ルイス・オビスポは、地理的な理由から、アメリカ国道101号線（U.S.Route101）やステート・ルート1（SR-1）をいく際の休息を目的に人々が訪れるようになりました。やがて、この町の人気が高まっていく中で、1925年に世界最初のモーテル「マイルストーン・モーテル」が誕生しました。さまざまな宿泊施設ができるなか、一際目を引くのが、マドンナイン（Madonna Inn）です。110ある客室全てがユニークな装飾で作られたこのホテルは、ロードトリップの思い出を印象づける場所として大変人気です。そして、市内中心部から数分のところにあるドライブインシアター「サンセット・ドライブイン（Sunset Drive-in）」もロードトリップを楽しむ人たちの交流の場になっています。

サン・ルイス・オビスポのダウンタウンを散策すると、この地のランドマークとなる歴史的な建物を見ることができます。1772年に設立されたカリフォルニア州にある21のスペインミッションの5番目に作られたミッション・サン・ルイス・オビスポ・デ・トロサ（Mission San Luis Obispo de Tolosa）や、現在はサン・ルイス・オビスポ郡歴史博物館（History Center and Museum of San Luis Obispo County）として利用されているアメリカ合衆国国家歴史登録財の1905年に建てられた元カーネギー図書館の建物、夜のネオンサインが素晴らしいフリーモント・シアター（Fremont Theater）は人気のスポットです。ダウンタウンには、美味しいワインを提供するワインセラーや有名なレストラン並んでいるので食事の時間を合わせて散策するのがよいでしょう。

サン・ルイス・オビスポは自然のアクティビティも豊富です。サン・ルイス・オビスポとモロベイ（Morro Bay）の間には９つの休火山が連なる通称”ナイン・シスターズ”と呼ばれる山脈があります。ロッククライミングやトレイルで人気の場所ですが、その素晴らしい眺めは撮影スポットとしても人気があります。そして、サン・ルイス・オビスポからは、ピズモビーチ（Pismo Beach）をはじめ、セントラルコーストの美しいビーチに簡単にアクセスすることができます。特にオススメしたいのが、カリフォルニア州立公園の中で唯一クルマの移動が許可されているビーチで、カリフォルニア州に残る最も広大な海岸砂丘のひとつオセアノ砂丘保護区（Oceano Dunes）。天候等によって走行ができないこともありますが、太平洋を眺めながらビーチをドライブする貴重な体験ができます。

サン・ルイス・オビスポは、「アメリカで最も幸福な都市」に選ばれたこともある魅力的な町です。1号線を北に向かって１時間のドライブでカリフォルニア州で最も人気のある歴史的建造物ハースト・キャッスル（Hearst Castle）へ、南に向かえば１時間半のドライブでサンタ・バーバラ（Santa Barbara）にアクセスすることができます。セントラルコーストのロードトリップを計画するのであれば、カリフォルニアのロードトリップを楽しんだ先人たちに倣ってこの地を拠点にしてみてはいかがでしょう。