サンディエゴ(San Diego)のダウンタウン、コンベンションセンター裏手に広がるエンバカデロ・マリーナ・パーク・サウス(Embarcadero Marina Park South)の半島部分に建つ「The Rady Shell at Jacobs Park(ザ・ラディ・シェル)」は、2021年にオープンした屋外音楽会場です。湾に面した美しいロケーションと最先端の音響設備を備え、サンディエゴ交響楽団(San Diego Symphony Orchestra)をはじめ、年間を通じてあらゆるジャンルの音楽イベントが開催されています。
ザ・ラディ・シェルがある場所は、もともとサンディエゴ交響楽団が夏季公演を仮設ステージで開催してきた場所でした。市民からの「より快適に音楽を楽しみたい」という声や地元慈善家の寄付が後押しとなり、パンデミックによる遅れを乗り越えて2021年に完成しました。現在この会場と周辺整備エリアは「Jacobs Park」とも呼ばれ、エンバカデロ・マリーナ・パーク・サウスの一部として利用されています。名称はJoan & Irwin Jacobs夫妻、そして会場名はErnest & Evelyn Rady夫妻の功績を称えて名付けられました。
ザ・ラディ・シェルは「シェル(Shell=貝殻)」の名のとおり、白く大きな曲線を描くステージ屋根が印象的で、サンディエゴ湾の景観と美しく調和しています。世界的に知られる建築・音響デザイン事務所が設計を手掛け、最新のサウンドシステムを導入。どの座席からもクリアで迫力ある音楽を楽しめるよう工夫されています。最大約1万人を収容できる観覧エリアは、コンサートがない日には公園の芝生広場として開放されるため、固定シートは設けられていません。夜にはシェルがライトアップされ、花火とともにサンディエゴ湾や市街地の夜景を背景に幻想的なステージが広がります。

この会場で開催されるイベントの中心はサンディエゴ交響楽団によるクラシック演奏ですが、ポップスやジャズ、映画音楽のコンサート、さらには世界的アーティストのライブなど、多彩なプログラムが展開されています。家族向けイベントや地域とのコラボレーション企画もあり、観光客から地元住民まで幅広い層に親しまれています。



ジェイコブス・パークは芝生や遊歩道が整備されており、コンサートがない日には散策やピクニックを楽しめる市民の憩いの場です。夕暮れ時には港の景色や市街地のシルエットを一望できる絶景スポットとしても知られています。
ジェイコブス・パーク公園の営業時間は、エンバカデロ・マリーナ・パーク・サウスと同じ毎日6:00〜22:30で、入場は無料です。ザ・ラディ・シェル施設内はイベント開催により時間が異なるため、スケジュールやチケット情報は公式サイトでの確認が必要です。
アクセスも良好で、サンディエゴのダウンタウン中心部から車で数分、サンディエゴ国際空港(SAN)からも約10分の距離にあります。車で訪れる場合は近隣の公共駐車場や有料ガレージを利用できますが、週末や人気公演時は混雑が予想されるため、早めの到着や事前予約の活用がおすすめです。滞在中であれば、トロリーやバスなど公共交通機関を利用するのも便利です。
ジェイコブス・パークは、ペトコパーク(Petco Park)やガスランプ・クォーター(Gaslamp Quarter)などサンディエゴの観光スポットからも徒歩圏内の場所にあります。コンサート鑑賞はもちろん、サンディエゴ湾の絶景を眺めに、町歩きや試合観戦などに組み合わせるのもおすすめです。
Location / Address
Official Web Site: The Rady Shell at Jacobs Park
photo:©Courtesy of San Diego Symphony