Mission Basilica San Diego de Alcalá |サンディエゴに残るカリフォルニアの原点

海沿いのビーチや賑やかなダウンタウン、開放的なリゾート気分を味わえることで人気のサンディエゴ(San Diego)。町の中心部からクルマでわずか15分ほどの丘の上にひっそりと佇んでいるのが、カリフォルニアの原点ともいえる歴史的スポット、ミッション・バシリカ・サンディエゴ・デ・アルカラ(Mission Basilica San Diego de Alcalá)です。

このミッションは1769年に創建されたカリフォルニアで最初に設立されたカリフォルニア・ミッション(フランシスコ会の伝道所)として知られています。スペイン統治時代、布教と領土拡大を目的に北上していったミッション網の出発点がこの場所でした。サンディエゴという都市名も、守護聖人であるディダコス・オブ・アルカラ(通称サンディエゴ)に由来しています。ミッションの建物は1774年に現在の場所に移転し、その後も破壊や再建を繰り返し、現在の建物は1813年に建てられた教会を模して1931年に完成した5代目の教会です。このミッションは、その歴史的背景も含め、アメリカ国家歴史登録財及びアメリカ国定歴史建造物に登録されています。

敷地に足を踏み入れると、まず目に入るのは白い壁と柔らかな曲線を描くアーチ、そしてシンボルとなる鐘楼(カンパナリオ)です。高さ14mの鐘楼には5つの鐘が備わり、最大の鐘は重さが540kgにもなります。典型的なミッション様式の建築は、簡素で力強く、サンディエゴの光や風とよく調和しています。ブーゲンビリアの咲く中庭に立つと、町の音はほとんど感じられず、足音や風の揺れだけが静かに響き、厳かな雰囲気に包まれます。

併設されたミュージアムエリアでは、ミッションの歴史や当時の暮らしを伝える展示を見ることができ、建物の遺構からは、時代ごとに姿を変えてきた様子がうかがえ、カリフォルニアの成り立ちを理解するうえで欠かせない場所となっています。

一般の見学は月曜日から金曜日の9 時から16 時まで、入場料は大人 $8、55歳以上および学生 $5、子ども(6〜12歳)$3 です。ビジターセンターとギフトショップがあり、一般の見学はここからスタートします。教会は現在も現役の信仰の場として使われており、見学の際には静かに過ごすことが求められます。かかとの高い靴などは避け、歩きやすい靴で訪れるのがおすすめです。

サンディエゴのダウンタウンからは15分ほどでアクセスすることができ、敷地内には来訪者用の駐車場も整備されています。また、周辺にはオールドタウン(Old Town San Diego)や、自然豊かなミッション・トレイルズ・リージョナル・パークなどもあり、歴史と自然を組み合わせたドライブコースを組むこともできます。また、スペイン人探検家のファン・ロドリゲス・カブリヨが初めて上陸した地として知られるカブリヨ国定公園(Cabrillo National Monument)と合わせて、カリフォルニア誕生の歴史に触れるのもよいでしょう。

ミッション・バシリカ・サンディエゴ・デ・アルカラは、サンディエゴという町、そしてカリフォルニアという土地を深く理解するための大切な場所です。この地の原点に触れるひとときを与えてくれるカリフォルニアロードトリップの立ち寄り先として、ぜひ記憶に留めておきたいスポットです。

Location / Address

Mission Basilica San Diego de Alcalá
10818 San Diego Mission Rd, San Diego, CA

photo:© San Diego Tourism Authority © Visit California/Hub