オラクル・パーク(Oracle Park)は、MLBサンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地として知られるスタジアムです。サンフランシスコ(San Francisco)の中心部から南に位置し、美しいサンフランシスコ湾を望む絶好のロケーションにあります。試合中には、湾へとホームランボールが飛び込む「スプラッシュヒット」が見られることもあり、野球ファンはもちろん、この地を訪れる多くの観光客を惹きつけています。
この球場が完成したのは2000年のこと。それ以前、ジャイアンツはサンフランシスコ南東部のベイビュー=ハンターズ・ポイントにあったキャンドルスティック・パーク(1958年開場、2014年解体)を本拠地としていましたが、強風と寒さが厳しく、選手にも観客にも快適とはいえない環境でした。そこで、より温暖でアクセスの良い海沿いの立地に、新しい野球専用スタジアムが誕生しました。
オラクル・パークの魅力は、その立地の素晴らしさだけにとどまりません。球場の外野側はサンフランシスコ湾に面しており、ベイブリッジやオークランドの町並みを一望できます。ホームランボールが海へと飛び込む瞬間を狙って、カヤックに乗った“ボールハンター”たちが水面で待ち構える姿は、この球場ならではの風景です。
グルメも充実しており、サンフランシスコらしい味覚を楽しめるのも魅力です。ダンジネスクラブを挟んだ人気のクラブサンド、スタジアム名物のガーリックフライやノース・ビーチ人気店のピザなど、ベイエリアの食文化を感じるメニューが揃います。そして、クラフトビールや地元ワインも提供されています。
スタジアムにはジャイアンツの歴史や記念品を展示するエリアもあり、野球ファンにとって見逃せないスポットです。有料のスタジアムツアーでは、ロッカールームやダグアウトなどを巡ることができ、球場の舞台裏を体験する貴重な機会となっています。ツアーは公式サイトから事前予約が必要です。また、試合がない日でも、球場周辺の広場やプロムナードでは、フードフェスや地域イベントが開催されることもあり、地元の人々の憩いの場となっています。
アクセス面でも非常に便利で、カルトレインの終点「サンフランシスコ駅(4th & King Station)」から徒歩約5分という好立地にあります。市内の地下鉄やMUNIバス路線も充実しており、ユニオンスクエア(Union Square)やフィッシャーマンズ・ワーフ(Fisherman’s Wharf)、ダウンタウンなどの観光エリアからも簡単にアクセスできます。試合後には、周辺のレストランやバーで地元の雰囲気を楽しむのもおすすめです。

スタジアムの正面には、球団のレジェンドであるウィリー・メイズの像が立つ「ウィリー・メイズ・プラザ」があります。さらに周辺には、海沿いの「ミッション・クリーク・パーク」や「サウスビーチ・ハーバー」など、散策にぴったりなスポットも点在しています。また、少し足を伸ばせば、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)やイェルバ・ブエナ・ガーデンズといった文化施設があり、さらにはサンフランシスコ・オークランド・ベイブリッジを渡ってオークランド方面へと向かうこともできます。こうした立地からも、北カリフォルニアを巡るロードトリップの途中に立ち寄る場所として最適です。
オラクル・パークは、野球の魅力に加えて、サンフランシスコの町並みや海、食文化を一度に体感できる特別な場所です。都市と自然が調和するこの球場で、きっと忘れられないひとときを過ごすことができるでしょう。
Oracle Park
Address: 24 Willie Mays Plaza, San Francisco, CA
Web Site: Oracle Park
photo: ©San Francisco Travel Association