ラ・カナダ・フリントリッジからSR-2を駆け上り、マウント・ウィルソン・レッドボックスロードからウィルソン山の山頂を目指しクルマを走らせるとマウント・ウィルソン天文台(Mount Wilson Observatory)に到着します。標高5713フィート(約1742m)のウィルソン山の地上にあるこの天文台は、かつて世界一を誇り、天体観測や星雲の写真撮影に大きな成果をもたらした60インチと100インチの巨大望遠鏡を持ちます。20世紀前半において天体物理学の分野を大きく発展させたこの天文台は、南カリフォルニの天文学における歴史的な場所として、そして晴れた日にはロサンゼルスのダウンタウンまで見渡すことのできる絶景スポットとして知られる人気の場所です。

この天文台は、天文物理学という学問分野を創設した天文学者ジョージ・エラリー・ヘイルによって1904年に設立されました。20世紀後半には、さらに大きな望遠鏡を持った天文台の登場とロサンゼルスの大気汚染の影響で、天文学の中心地ではなくなりましたが、現在も光学干渉計CHARA(Center for High Angular Resolution Astronomy)を使って、さまざまな研究が行われています。

マウント・ウィルソン天文台のドーム内にあるビジターギャラリーでは、設立当時に世界一を誇ったフッカー社の100インチ望遠鏡を無料で見学することができます。週末の午前11時30分と午後1時に行われる約2時間のガイドツアー(有料)に参加すると、100インチ望遠鏡のフロアへの立ち入り、60インチ望遠鏡ドーム、そして150インチ太陽望遠鏡タワーに入場することができます(イベント等で中止の場合もあります)。また、天文台の敷地内には小さな天文博物館があり、CHARAの展示などを見学することができます。そして、春の終わりから秋のはじめにかけて、講演会やコンサートなどさまざまなイベントも開催されています。マウント・ウィルソン天文台の開館時間は、春から秋と冬から早春にかけて異なるため、最新情報と合わせて訪問前に確認をしておくと良いでしょう。

天文台の駐車場のすぐそばには、絶景スポットで知られる展望台があります。眼下にはパサデナ(Pasadena)の町が広がり、晴れた日にはロサンゼルス(Los Angeles)のダウンタウンまで見渡すことができます。周辺には素晴らしい景色を楽しみながらハイキングのできるトレイルも多数あり、ハイカーたちにも人気のスポットです。土曜日と日曜日の10:00 ~ 17:00(9月下旬~11月16:00) は飲み物や軽食を提供するコスミック・カフェ(Cosmic Cafe)も営業しています。

天文台はアメリカ森林局の土地にあるため、駐車にはアメリカ森林局が発行するアドベンチャーパスが必要です。アドベンチャーパスは$5でコスミック・カフェで購入することが可能です。マウント・ウィルソン天文台のある山頂は日によってかなり気温が下がることもあるので、上着を用意しておくなど気温の変化に対応できる服装がオススメです。また濃霧など悪天候によって道路が閉鎖されることもあるため、当日の天候や道路状況も確認しておきましょう。

Mount Wilson Observatory
Address: Mt Wilson, CA
Web Site: Mount Wilson Observatory

photo: ©︎KURUMAG