ミッドセンチュリー・モダン建築が数多く残る町として知られるパーム・スプリングス(Palm Springs)。毎年開催されるモダニズム・ウィーク(Modernism Week)は、ミッドセンチュリー・モダン建築を中心に、アート、インテリア&ランドスケープ・デザイン、そしてビンテージ・カルチャーをテーマに行われます。2006年にスタートしたこのイベントでは、普段は公開されていない住宅の見学ツアーや建築家による講演、デザイン展示などが行われ、世界中から建築ファンが訪れます。
パーム・スプリングスにミッドセンチュリー建築が増えた背景には、ハリウッド文化の存在があります。当時、ハリウッドの俳優たちは撮影の呼び出しに備え、ロサンゼルスから2時間以内で戻れる場所にいなければならないという「2時間ルール」と呼ばれる慣習がありました。そのため、車で約2時間の距離にあり、冬でも温暖で晴天の多いパーム・スプリングスは、映画スターたちにとって週末を過ごすリゾート地として理想的な場所となったといわれています。アルバート・フレイやドナルド・ウェクスラーといった建築家たちによって気候条件に合わせた建築様式が進化し、さらにハリウッドスターたちがこの地に別荘などを建てるようになると、デザインや設計はより洗練され、独自のスタイルが生まれていきました。
ミッドセンチュリー・モダン建築は、すっきりとしたラインと開放的な間取りが特徴です。屋外空間を生活の一部として取り入れる設計や、大きなガラス窓を使ったデザインも多く見られます。元ガソリンスタンドとして建設されたパーム・スプリングス・ビジターセンター(Palm Springs Visitor Center)も、こうしたミッドセンチュリー建築の特徴を持つ町を象徴する建物のひとつです。また、パーム・スプリングス・アートミュージアム・アーキテクチュア・アンド・デザインセンター(Palm Springs Art Museum Architecture and Design Center)を訪れれば、より深くこの地の建築文化について学ぶことができます。


モダニズム・ウィークは、毎年2月に延べ11日間にわたって町をあげて行われるビッグイベントです。数百に及ぶプログラムのなかには、歴史的なミッドセンチュリー・モダン建築を訪れ、普段は見ることのできないインテリアや中庭を見学できるツアーも含まれています。また、二階建てバスやレンタサイクルによるミッドセンチュリー建築巡り、当時の建築やデザインをテーマにしたパネルディスカッション、ミュージックイベントなども人気のコンテンツとなっています。

またこのイベントはクルマ好きにも楽しめる内容となっており、モダニズム・ウィーク期間中にはクラシックカーショーやビンテージ・トレーラーショーも開催されています。さらに、1930〜1960年代につくられたミッドセンチュリー・モダン建築の邸宅の前には、同じ時代に生まれた名車が並べられることもあり、当時のライフスタイルやカーカルチャーを感じ取ることができます。

モダニズム・ウィークは2月のメインイベントのほか、10月にプレビューイベント(ミニ・モダニズム・ウィークとも呼ばれます)も開催されています。規模は小さいながら、メインイベントと同様に貴重なミッドセンチュリー・モダン建築ツアーを楽しむことができます。
2月、10月ともにイベント期間中は全米はもとより世界各国から多くの人がパーム・スプリングスを訪れます。イベントに参加する場合は、各種プログラムやツアーのチケット、ホテルの予約を早めにしておくとよいでしょう。
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photo:©visitgreaterpalmsprings ©︎VisitCalifornia

