シリコンバレーで知られるサンノゼ(San Jose)からクルマで1時間ほどの位置にあるハミルトンの山頂(標高約1300m)にあるのがリック天文台(Lick Observatory)です。このエリアはしばしば発生する霧が天体観測の妨げとなっていました。そこで、霧より高い場所にある山頂に天文台をつくろうと選ばれたのが、このハミルトン山でした。これまで天体観測を妨げてきた霧が今度は市街地の光を遮断してくれるため、この場所が天体観測には理想の場所だったことが完成後にわかりました。この天文台には、建設当時世界一の大きさを誇った口径36インチ(91cm)の屈折望遠鏡グレート・リック・レフラクターが設置されており、現在も貴重な発見を続けています。
ハミルトン山の山頂へは、天文台建設当時に資材を運ぶためにつくられた緩やかな曲がりくねった道を進みます。現在カリフォルニア州道130号線となったこの道は、全部で365ヵ所のカーブがあります。この長い緩やかなカーブの道を上りきりハミルトンの山頂の駐車場に到着すると、サンタ・クララ・バレーの素晴らしい眺めが目の前に広がります。建設当時のままのオーク材や大理石が残された本館へむかい、グレート・リック・レフラクターのある36インチ・テレスコープ・ドームへと進みます。ここではリック天文台の歴史についてのトークショー(無料)が毎日開催されています。さらにシェーン・ドームまで行くと、ビジターズギャラリーで太陽系外惑星の発見に使用された天文台の主要な望遠鏡の1つ120インチ(約3m)のシェーン反射望遠鏡を見学することができます。
リック天文台の見学は、土曜日と日曜日の12:00から17:00まで。展望台ではガイドツアーやコンサートなどのイベントも開催されていますので、訪問前に公式サイトで最新情報を確認しておきましょう。天文台の見学は無料ですが、イベントの参加については一部有料のものもあります。リック天文台はハミルトンの山頂にあるため、天候が変化しやすく、町の中よりも気温も低いため、上着を持っていくことをお忘れなく。
Lick Observatory
Address: 7281 Mt Hamilton Rd, Mt Hamilton, CA
Web Site: Lick Observatory
photo: ©︎Lick Observatory