SPOT NEWS | 映画美術の魔法を体感。アカデミー映画博物館で新企画展がスタート

2025年5月23日より、ロサンゼルス(Los Angeles)のアカデミー映画博物館(Academy Museum of Motion Pictures)にて、映画美術界の名コンビ、サラ・グリーンウッドとケイティ・スペンサーに焦点を当てた企画展「Barbie to Anna Karenina: The Cinematic Worlds of Sarah Greenwood and Katie Spencer」が開幕します。この展覧会は、2026年10月18日まで開催予定です。

『アンナ・カレーニナ』(2012)から映画『バービー』(2023)に至るまで、時代もジャンルも異なる作品世界を手がけてきた二人の映画美術の軌跡を、没入型の体験として楽しめるのがこの企画展です。単なる美術展示ではなく、彼女たちの芸術的なビジョンと撮影現場でのコラボレーションの過程を立体的に紹介。映画の時代背景やキャラクターの個性を、どのように空間やデザインで表現しているのかを深掘りする内容になっています。

また本展に合わせて、「Barbie to Anna Karenina」関連の上映プログラムも用意されており、初日となる5月23日には『バービー』の特別上映が実施されます。上映は午後7時30分からで、サラ・グリーンウッドとケイティ・スペンサー本人が登壇予定です。グレタ・ガーウィグ監督によるこの作品は、2023年夏に公開されるや否や世界的ヒットを記録し、アカデミー賞では8部門にノミネート。なかでもグリーンウッドとスペンサーの美術チームは高く評価され、その華やかで洗練されたビジュアル表現は多くの観客の記憶に刻まれるものになりました。

二人はこれまでにも『プライドと偏見』『つぐない』『シャーロック・ホームズ』『美女と野獣』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』など、時代と世界観の異なる数々の作品でタッグを組んできました。今回の展示はそんな彼女たちの豊かな表現力と映画への情熱を体感できる貴重な機会と言えるでしょう。

映画ファンのみならず、アートやデザインに興味のある人にとっても見逃せない本展。南カリフォルニアでのロードトリップでロサンゼルス訪れる予定の人は、ぜひ足を運んでおきたい企画展です。

アカデミー映画博物館は、映画の芸術、科学、そして映画製作に携わるアーティストたちに特化した、世界最大規模の映画博物館。多様性とアクセス性を重視した展示や上映プログラム、教育イニシアチブ、アーカイブを通して、映画という文化の理解と継承、そして祝福を目的としています。設計はプリツカー賞を受賞した建築家レンゾ・ピアノが手がけ、1939年築の歴史的建築メイ・カンパニービル(現サバン・ビル)と球体型の新棟から構成されています。敷地内には5万平方フィートに及ぶ展示スペースに加え、最新鋭の2つのシアター、シャーリーテンプル教育スタジオ、美しい公共スペース(ウォルト・ディズニー・カンパニー・ピアッツァやシドニー・ポワチエ・グランドロビーなど)を完備。ロビーにはスピルバーグ・ファミリー・ギャラリー、ミュージアムショップ、レストラン「Fanny’s」も併設されています。アカデミー映画博物館は火曜を除く毎日10時から18時まで開館しており、ショップやギャラリーも併設しています。

▶展覧会情報
Barbie to Anna Karenina: The Cinematic Worlds of Sarah Greenwood and Katie Spencer
会期:2025年5月23日(金)〜2026年10月18日(日)
会場:Academy Museum of Motion Pictures
時間:10:00〜18:00

▶関連上映
『バービー』(2023)特別上映+トーク
日時:2025年5月23日(金)19:30〜
登壇:サラ・グリーンウッド、ケイティ・スペンサー

Academy Museum of Motion Pictures
Address: 6067 Wilshire Blvd, Los Angeles, CA
Web Site: Academy Museum of Motion Pictures

photo: ©Academy Museum Foundation, Photo by: Fredrik Nilsen