ユージーン(Eugene)の中心部からクルマでわずか5分ほど、ウィラメット川の北岸に位置するスキナー・ビュート・パーク(Skinner Butte Park)は、豊かな自然と歴史を感じられる、ユージーン屈指の憩いの場です。およそ100エーカー(約40ヘクタール)の広さを誇るこの公園では、四季折々の自然の景観が楽しめ、町を一望できる展望スペースもあることから、観光客にも地元の人にも人気の撮影スポットとなっています。
公園内にそびえる小高い丘は、先住民カラプヤ族の人々から「ヤ・ポ・ア(高い場所)」と呼ばれていました。1846年、この地に入植したユージーン・スキナーが洪水を避けるためにこの丘の斜面に住居を建てたことが、のちのユージーン市の誕生につながったとされています。現在、この丘は彼の功績を称え「スキナー・ビュート」と名付けられ、麓にはスキナーの住居跡を示す記念碑が設置されています。
丘の頂上には展望スペースが整備されており、晴れた日にはユージーン市街はもちろん、遠くの山々まで見渡すことができます。頂上までは車でもアクセス可能で、気軽に絶景を楽しめるのも魅力のひとつです。


園内の見どころのひとつに、「ザ・コラムズ」と呼ばれる玄武岩の崖があります。かつては採石場として利用されていたこの場所は、現在ではロッククライマーたちの練習場として人気を集めています。週末には多くのクライマーが訪れ、岩壁を登る姿が見られます。そして、国家歴史登録財指定の1888年に建てられたビクトリア様式の館「シェルトン・マクマーフィー・ジョンソン邸(Shelton McMurphey Johnson House)」も見逃せません。「丘の上の城」とも称されるこの邸宅では、地元の歴史を垣間見ることができます。また、スキナー・ビュートの斜面には、オレゴン大学を象徴する「ビッグO」や、サウス・ユージーン高校の「ビッグE」がペイントされており、地域とのつながりも感じられるユニークな光景となっています。
アクティビティも豊富で、ハイキングやサイクリング、ピクニック、バードウォッチングなどが楽しめます。園内には美しいバラが咲き誇るコミュニティガーデンや戦没者慰霊碑、さまざまなパブリックアートが点在しており、散策するだけでも新たな発見があります。2006年には、子どもたちが遊びながら自然や歴史に触れられる「リバープレイ・ディスカバリー・ビレッジ・プレイグラウンド(River Play Discovery Village Playground)」も整備され、家族連れにも人気のスポットとなっています。



スキナー・ビュート・パークは入園無料で、年中無休で開園しています。ユージーンのダウンタウンからはCheshire Avenueを北へ車で約5分。アクセスも良好です。園内には複数の無料駐車場があり、なかでもCheshire Avenue沿いの駐車場や、丘の上のSkinner Butte Loop駐車場は利便性が高くおすすめです。週末や祝日はやや混雑することもあるため、ゆっくりとした時間を楽しみたい方は、平日の訪問を検討するとよいでしょう。
Skinner Butte Park
Address: 248 Cheshire Ave, Eugene, OR
Web Site: Skinner Butte Park
photo: © Melanie Griffin / EugeneCascadesCoast.org © Brandon Fralic / Eugene, Cascades & Coast. © Melanie Ryan Griffin / EugeneCascadesCoast.org