スペイン統治時代、モントレー(Monterey)はカリフォルニアの首都であり、太平洋岸の港の玄関口でした。モントレーの名称は、この港がモントレー港と名づけられていたことに由来しています。実業家のトーマス・ラーキンが旅客と貨物の定期便を運航するために埠頭をつくりあげたのは1845年のこと。これが現在のオールド・フィッシャーマンズ・ワーフ(Old Fisherman’s Wharf)の始まりです。その後、イワシ産業が盛んになり埠頭は次第に拡張され、1926年には第二埠頭の建設も行われました。しかしながら、第二次世界大戦後には乱獲の影響でイワシの漁獲量が減少し、この地の漁業は衰退していくことになります。現在、このウォーターフロント周辺の太平洋の海はかつての教訓から国立海洋保護区に指定されています。
ホエール・ウォッチングはオールド・フィッシャーマンズ・ワーフの人気のアクティビティのひとつです。モントレー湾は、一年中クジラを見ることができる世界的にも貴重な場所として知られており、”世界のホエール・ウォッチングの中心地(Whale Watching Capital of the World)”ともいわれています。毎年ホエール・ウォッチングを目的に世界中から多くの人が訪れており、クジラのほかラッコ、アシカ、イルカ、海鳥などの野生動物がこの地を訪れる人々を楽しませてくれます。
オールド・フィッシャーマンズ・ワーフを訪れるもうひとつの楽しみは、新鮮な海の幸のシーフード料理でしょう。ここには、カジュアルなオープンエアのクラムバーから、モントレー湾の景色を眺めることのできるフォーマルな屋内レストランまでさまざまなタイプの店があります。名物のクラムチャウダーやカラマリをはじめ、バラエティに富んだシーフード料理が堪能できます。
埠頭のすぐ側にあるモントレー州立歴史公園(Monterey State Historic Park)も見逃せないスポットです。ここにはモントレー旧市街に点在する重要な歴史的家屋や建物のコレクションが集められています。ここを訪れたらぜひ立ち寄りたいのは、埠頭の入り口に隣接しているカリフォルニア州歴史建造物第1号に認定された、州で最も古い政府の建物カスタム・ハウス(Custom House)です。この建物は1846年7月7日、アメリカ軍がアメリカ国旗を掲げ、カリフォルニア州を正式に占領したことを宣言した歴史的に重要な場所です。
オールド・フィッシャーマンズ・ワーフはモントレーのダウンタウンのすぐ近くにあり、簡単にアクセスできます。フィッシャーマンズ・ワーフIIとの間にはフィッシャーマンズ・ワーフ駐車場(Fisherman’s Wharf Parking Lot)があり、そのほかにも時間貸しのパーキングが周辺にいくつかあるので駐車場所に困ることはほとんどありません。この辺りで駐車をすれば、フィッシャーマンズ・ワーフII、モントレー水族館(Monterey Bay Aquarium)、キャナリー・ロウ(Cannery Row)などの人気のエリアへ徒歩でアクセスすることも可能です。オールド・フィッシャーマンズ・ワーフは、美味しいシーフードや美しいモントレー湾の自然が楽しめるだけではなく、カリフォルニアの歴史散策もできるオススメのスポットです。
Old Fisherman’s Wharf
Address:#1 Old, Fishermans Wharf, Monterey, CA
Web Site: Old Fisherman’s Wharf
photo: ©︎VisitCalifornia