ハリウッドサインやロサンゼルス・ダウンタウン(Los Angeles Down Town)を一望できるグリフィス・パーク(Griffith Park )の丘の上にあるグリフィス天文台(Griffith Observatory)は、ロサンゼルスを代表する人気観光スポットです。天文学や科学教育の普及を目的として建てられたこの天文台は、1935年のオープン当初から無料で一般公開されており、2002年の改修までに700万人以上の人が訪れています。また、ジェームズ・ディーンの代表作「理由なき反抗(原題:Rebel Without a Cause)」や「ラ・ラ・ランド(原題:La La Land)」など数多くのテレビや映画の舞台となったことでも知られています。
グリフィス天文台は、グリフィス・パークの建設の土地をロサンゼルス市に寄贈した実業家グリフィス・J・グリフィスの提案によって誕生しました。南カリフォルニア科学アカデミーを通じて天文学に触れた彼は、1904年にマウント・ウィルソン天文台(Mount Wilson Observatory)の当時世界一だった60インチの望遠鏡を覗き、美しい星空に大きな感銘を受けたといいます。そして「科学を一般の人がもっと利用しやすいものにしたい」という彼の願望は、やがて「公共天文台」というビジョンに発展。1919年グリフィスの死後、そのビジョンは継承され、1935年にグリフィス天文台は完成しました。
グリフィス天文台の3つドームにはそれぞれ天文学に関する異なる体験ができます。まず、中央のドームには、アメリカで3番につくられたプラネタリウム、サミュエル・オシン・プラネタリウム(Samuel Oschin Planetarium)があります。オープン当初からあるこのプラネタリウムですが、2006年に音響・映像・座席などあらゆる設備が最新のものへと改修されました。毎日行われている60分または90分のショーを鑑賞を希望する場合は、当日展望台のチケット売り場でチケットの購入が可能です(大人$10 別途子ども料金等あり)。
そして、両サイドのドームの中には、グリフィスが提唱した「誰でも利用できる望遠鏡」が備え付けられています。建物の東端のドームには、主に月、惑星、銀河系で最も明るい天体を観察対象とした夜間の観察できるように設計されたグリフィス天文台のオリジナルの 12インチのツァイス屈折望遠鏡があります。1955年には9インチのツァイス製の望遠鏡が追加されましたが、いずれも誰でも利用することができます。観測は通常19時頃から午後21時30分頃まで、デモンストレーターのガイドで運営されています。その反対側となる西端のドームには、黒点や太陽フレアなどを観測するシーロスタットと太陽望遠鏡があります。晴れた日には、ここでリアルタイムの映像を確認する観測体験をすることができます。
このほかにも、空の観察の歴史を伝える映像シアターや貴重な展示、カフェやギフトショップもあります。ハリウッドサインボードやロサンゼルスのダウタウンを見渡す絶景を眺める展望台のテラスは、人気の撮影スポットとしても知られています。
グリフィス天文台は、月曜日が定休で、火曜日から金曜日が12時から22時、週末の土日は10時から22時までの営業となっています。天文台の建物、敷地、望遠鏡のあるドームへの入場は無料です。グリフィス天文台は、ダウンタウンからクルマで10~20分程度での場所にありますが、ロサンゼルスでは曜日や時間により交通状況が大きく変わるため、訪れる時間帯によってはかなり時間がかかることも。また、グリフィス・パーク内にはいくつかの有料駐車場がありますが、利用時間や料金などが曜日やシーズンによって混雑が大きく異なるため、事前にしっかりプランをたてておくのがおすすめです。
Griffith Observatory
Address: 2800 E Observatory Rd, Los Angeles, CA
Web Site: Griffith Observatory
photo:©Discovery Los Angeles©KURUMAG