飛行機、鉄道、バスなど、旅行における移動の選択肢は無数にあります。しかし旅の真髄である出会い、発見、体験、感動という点で見れば、クルマでの旅に勝るものはありません。気になる場所があればいつでも立ち止まることができ、ルートも自由に変えられるというフレキシビリティさ、フロントウィンドウ越しに広がる180度の眺望、そして家族や友人など大切な人と感動の共有ができるプライベート空間、お気に入りの音楽を聴きながら楽しむ風景のうつろい・・・クルマでの旅には多くの魅力があります。より早く、気軽に目的地まで移動できる手段が無数に選べるようになっても、あえてクルマでの旅を選ぶ人が多いのは、移動そのものを楽しむことができるということ、そして目的地に到着するまでの間にこそ、素晴らしい感動と出会い、ドラマやストーリーがあるということを知っているからでしょう。
クルマでの旅=ロードトリップは、自動車の誕生とほぼ同時に始まりました。ドイツに住む一人の女性が2人の息子ともに106kmのロードトリップに出かけたのは1888年のこと。彼女の名前はベルタ・ベンツ(写真左)。メルセデス・ベンツ創業者の妻である彼女はこの世に産声をあげて間もない”自動車”とともに、世界で初めてクルマでの旅を楽しみました。一方、アメリカでは1903年に当時31歳と20歳の2人の若者が63日をかけサンフランシスコーニューヨーク間のロードトリップに出かけ、その3年後には20歳のアリス・フイラー・ラムゼイ(写真右)が3人の友人とともに女性だけでニューヨークからサンフランシスコへの59日間のロードトリップを楽しみました。世の中に自動車が誕生してまだ間もない時代、旅をもっと快適に、そしてもっと楽しむための手段としていち早く自動車に注目していました。これがロードトリップの原点であり、130年経った今でも自動車は世界中の人々に旅を存分に楽しませてくれています。
もしこれまでの旅にセルフドライブという選択肢がなかったのであれば、ぜひ次回こそ自らステアリングを握りロードトリップに出かけてほしいと思います。旅の目的地は数あれど、走れば走るだけ感動に出会える場所であるアメリカはロードトリップの素晴らしさを体験するには絶好の目的地となることでしょう。壮大な自然、息をのむ絶景、ドラマチックなサンセット、スリリングなワインディング、そして美しい四季折々の風景・・・クルマでの旅を堪能させてくれる全ての要素がここに揃っています。全土に広がる美しく、感動的な道の数々が、きっとあなたを歓迎してくれるはずです。
さあ、ロードトリップへ出かけましょう。
photo: ©︎Daimler AG, Brand USA, Visit California, AVIS