ロサンゼルス(Los Angeles)中心部から車で20分ほど、サンタモニカ山脈の南麓に広がるビバリーヒルズ(Beverly Hills)は、世界的に知られる高級住宅街であり、ハリウッドの歴史とともに歩んできた特別な場所です。
ビバリーヒルズが町として誕生したのは1914年。当初は石油開発を目的に開かれた土地でしたが、産出が思うようにいかなかったことで住宅地として再開発され、1920年代には映画産業の隆盛とともに映画スターや大富豪たちが次々と移り住むようになりました。今日もその面影は街並みに色濃く残り、ビバリーヒルズは単なる住宅地ではなく、アメリカン・ドリームの象徴ともいえる存在となっています。
5.71平方マイルあるビバリーヒルズには、ショッピングや象徴的なランドマーク、ワールドクラスのレストラン、そして100点ものパブリックアート、ミスター・ブレインウォッシュ・アート・ミュージアム(Mr. Brainwash Art Museum)をはじめとする数多くの美術館やギャラリーなど、さまざまな魅力が詰まっています。それら全てが徒歩でアクセスできるというのが、この町の魅力といえるでしょう。
なかでも町の中心を貫く「ロデオ・ドライブ(Rodeo Drive)」は、高級ブランドが軒を連ねるショッピングストリートとして世界的に有名です。約3ブロックのエリアに、グッチ、エルメス、カルティエなどのフラッグシップストアが並び、ショッピングだけでなく、美しいストリートスケープを眺めながらの散策も魅力のひとつです。特に「トライアングル地区(Golden Triangle)」と呼ばれる一帯は、町の歴史的な建築と現代的なデザインが融合した空間で、ビバリーヒルズらしい洗練された空気が漂います。

また、町のアイコンとして知られる「ザ・ビバリーヒルズ・ホテル(The Beverly Hills Hotel)」は、1912年の開業以来、数々の著名人や映画スターに愛されてきた伝説的なホテルです。カラフルなバナナリーフ柄のインテリアとともに、かつてマリリン・モンローやエリザベス・テイラーらが滞在したスイートルームは今も現役で、ハリウッド黄金期の華やかな記憶を今に伝えています。また、1928年に建てられた「グレイストーン・マンション(Greystone Mansion & Gardens)」は、石油王エドワード・L・ドヒニーが息子のために建てた邸宅として知られ、1971年以降は市が所有する都市公園として一般公開されています。庭園やテラスからは街を一望でき、静かな散策スポットとして人気です。



そして、町の西側を走るベネディクト・キャニオン・ドライブ(Benedict Canyon Dr.)や北部を走るマルホランド・ドライブ(Mulholland Dr.)といった道へとクルマを走らせれば、丘の上からビバリーヒルズをはじめロサンゼルスの街並みを望む絶景ドライブが楽しめます。日中は徒歩で町の散策を楽しみ、暮れ時の町にはクルマでこの町の美しい夜景を“ドライブしながら楽しむ”というのもおすすめです。
また、周辺エリアへのアクセスの良さも、ビバリーヒルズの魅力のひとつです。サンタモニカ(Santa Monica)やマリブといったビーチエリアまでは車で約30分、ハリウッドやグリフィス天文台(Griffith Observatory)にも短時間でアクセスできるほか、ロサンゼルス(Los Angeles)ダウンタウンへの移動も容易です。ダウンタウンに滞在し、サンタモニカに出かける途中で立ち寄るのもよいですし、ビバリーヒルズに滞在して、ここから東西南北ロサンゼルス各地へのロードトリップにでかけるのもよいでしょう。


ビバリーヒルズは、ハリウッド黄金期の記憶と現代のラグジュアリーが交錯する町です。歴史、建築、ショッピング、絶景ドライブ、そして洗練された滞在体験など、あらゆる魅力が凝縮されたこの街を訪れれば、ロサンゼルスという都市の奥深さをより豊かに感じられるはずです。
Location / Address
Official Web Site: Beverly Hills
photo:©Beverly Hills Conference & Visitors Bureau ©Visit California/Carol Highsmith ©plusroadtrip