Columbia River Gorge|滝と断崖が連なる、オレゴンの壮大な絶景渓谷

オレゴン州北部に位置するコロンビア川渓谷(Columbia River Gorge)は、深い渓谷と美しい滝、歴史ある展望台や小さな町が点在する、風光明媚なエリアです。コロンビア川を挟みオレゴン州とワシントン州にまたがるこの渓谷は、アメリカで最初にNational Scenic Area(全米景勝地保護区)に指定された特別な地域でもあります。

コロンビア川渓谷は全長約130kmにも及ぶ巨大な峡谷で、氷河期に起きたミズーラ洪水として知られる大規模な洪水によって、現在見られる断崖や柱のような岩模様がつくられました。この渓谷には16種の固有植物と150種以上の希少植物が生育し、多様な動物も生息しています。周辺には多くのトレイルが整備されており、車窓からの景観だけでなく、徒歩で滝や渓谷を間近に体験できるのも魅力です。ポートランド(Portland)のダウンタウンから車で1時間ほどの距離にありながら、壮大な自然美に出会える場所として、地元の人々にも旅行者にも親しまれています。

コロンビア渓谷にはオレゴン州側だけでも90以上の滝があるといわれていますが、なかでも高さ189mの2段構造を持つマルトノマ滝(Multnomah Falls)は、この地域を代表する滝として多くの観光客が訪れています。とくに展望橋から見上げる滝は圧巻で、オレゴン観光のハイライトになりえる迫力です。また、滝の裏側を歩けるラトレル滝(Latourell Falls)や、道路脇からすぐに見られるホーステイル滝(Horsetail Falls)なども近くにあり、コロンビア渓谷が美しい“滝の宝庫”と呼ばれる理由を体感することができます。

またコロンビア渓谷を俯瞰で見ることができる展望台も多数あります。たとえば、国家歴史登録財に登録されている1918年に建てられた展望台ヴィスタ・ハウス(Vista House at Crown Point)は、渓谷全体を見渡せる人気のビューポイントとして知られています。雄大なコロンビア川がカスケード山脈を切り裂くように流れる風景は、息をのむほどの美しさです。さらにロウィーナ・クレスト展望台(Rowena Crest Viewpoint)からも、蛇行するコロンビア川と緩やかな丘陵が織りなす雄大な風景を一望できます。ヴィスタ・ハウスとはまた違った、渓谷の広がりを感じられる絶景スポットです。

これら素晴らしい眺望を楽しめる展望台を繋ぐのはアメリカ初のシーニック・バイウェイとして知られているヒストリック・コロンビア・リバー・ハイウェイ・シーニックバイウェイ(Historic Columbia River Highway Scenic Byway)です。全長約120kmにわたりコロンビア川渓谷の絶景を走り抜けるこのドライブルートは、この地を訪れたらぜひ走ってほしいおすすめの道です。

さらに、アメリカ最大級の水力発電システムの一つボンネビル・ロック&ダム(Bonneville Lock and Dam)、ネイティブ・アメリカンの伝説にも登場するブリッジ・オブ・ザ・ゴッド(Bridge of the Gods)などの見どころが点在しています。

コロンビア渓谷はポートランドから日帰りでも楽しめますが、ヒストリック・コロンビア・リバー・ハイウェイ・シーニックバイウェイのドライブを堪能するためにも、フッド・リバー(Hood River)をロードトリップのベースとして、1泊もしくは2泊するのもおすすめです。コロンビア渓谷へはもちろんのこと、マウント・フッド(Mt. Hood)などへのアクセスも良好。また、フルーツの一大産地であるこの町には地元産のワインやクラフトビールを味わえるレストランやブルワリーがあり、コロンビア川ではアウトドア体験を楽しむこともできるので、旅の幅を広げられるでしょう。

なお、コロンビア渓谷は四季折々の風景が楽しめますが、夏の観光シーズンにはマルトノマ滝周辺など人気スポットは駐車場がたいへん混み合うため、事前予約制度の活用や訪問時間の工夫など事前準備をしておくと安心です。また、冬季は積雪や凍結による通行止めの可能性もあるため、訪問前に最新の道路情報を確認しておくことをおすすめします。

Location / Address

Columbia River Gorge

Official Web Site: Columbia River Gorge

photo:©Travel Oregon (photographer: Katie Falkenberg) ©Travel Oregon ©Nick Mendez, nickmendez.com/Travel Portland ©Visit Hood River ©plusroadtrip