Hayward Field | Track Town USAを象徴する歴史ある陸上競技場

ユージーン(Eugene)は、「Track Town USA」として世界の陸上界に知られる町。その象徴ともいえるヘイワード・フィールド(Hayward Field)は、オレゴン大学のキャンパス内に位置する陸上競技専用スタジアムです。スポーツブランド「NIKE」誕生の地でもあり、同大学の陸上チーム「オレゴン・ダックス(Oregon Ducks)」の本拠地でもあります。このスタジアムでは、アメリカのオリンピック選考会が幾度も開催され、2022年には世界陸上競技選手権の会場にも選ばれました。世界トップレベルのアスリートたちが名勝負を繰り広げてきた“陸上の聖地”です。

ヘイワード・フィールドは1919年にアメリカンフットボール場として開場し、1921年から陸上競技にも使用されるようになりました。1970年代以降は陸上競技に特化した施設となり、数々の全国・国際大会の舞台となってきました。2018年から2020年にかけて、NIKE共同創業者フィル・ナイト(Phil Knight)夫妻の支援により大規模な改修が行われ、スタジアムは最新鋭の設備を持つ世界屈指の陸上競技場へとリニューアルされました。スタジアム名の由来となったのは、1904年から1947年までオレゴン大学陸上部の指導に携わった名コーチ、ビル・ヘイワード(Bill Hayward)。また、スタジアムの番地「1530」は、フィル・ナイトの800メートル走の自己ベスト1分53秒0(1:53.0)にちなんで設定されています。

ヘイワード・フィールドの収容人数は12,650席で、イベント時には最大25,000席まで拡張可能です。観客席からトラックまでの距離が非常に近く、最前列はトラックと同じ高さに設計されており、迫力の競技シーンを間近で体感できます。特徴的な屋根は木造構造で、鳥籠をイメージした開放的なデザイン。自然との調和を感じさせる造りで、どの席からも視界を遮らないよう配慮されています。最新の音響設備も導入されており、観戦の臨場感をさらに高めています。

スタジアムの北東には、9階建ての「ヘイワード・タワー(Hayward Tower)」がそびえ立ちます。オリンピックの聖火をモチーフにしたこのランドマークには、名将ビル・バウワーマンやスター選手スティーブ・プリフォンテーンなど、オレゴン陸上を象徴する人物の写真が映し出されています。

また、タワー東側にある「ヘイワード・ホール(Hayward Hall)」では、スタジアムとオレゴン大学陸上の歴史を学ぶことができます。見学は通常、火〜金曜の10時〜16時(イベント開催時は変更あり)。訪問計画を立てる際には、公式サイトでイベントスケジュールの確認をおすすめします。

ヘイワード・フィールドは、ユージーンのダウンタウンから車でわずか5分。オレゴン大学キャンパス内に位置し、大学の来客用駐車場や周辺のパーキングが利用可能です。周辺には「プリフォンテーン・トレイル」や大学構内の自然豊かなスポットも点在しており、陸上競技に興味のある方はもちろん、建築・文化・歴史に興味がある方にもおすすめの訪問先です。ヘイワード・フィールドは、単なる競技場ではなく、アメリカ西海岸の陸上文化そのものを象徴する存在です。スタジアムでの観戦や展示の見学を通じて、オレゴン州と陸上競技と深い結びつきを実感できるでしょう。

Hayward Field
Address: 1530 Agate St, Eugene, OR
Web Site: Hayward Field

photo: © Hayward Field at the University of Oregon © EugeneCascadesCoast.org