California State Route1(SR-1)の新たなアプローチ


カリフォルニア州を象徴する海岸道路、Highway 1(California State Route1/SR-1)の一部区間は、2023年に発生した地滑り「リージェンツ・スライド」の影響で今も通行止めが続いています。太平洋沿いを走るこの絶景ドライブロードは「世界でもっとも美しいロードトリップ」と称されるほど人気の高いルートですが、現在もその完全復旧の目処はたっていない状況です。

それでも、カリフォルニア観光局(Visit California)は地域経済と観光産業への影響を強く認識し、積極的な情報発信と支援活動を続けています。Visit Californiaの代表でありCEOを務めるキャロリン・ベテータ氏(Caroline Beteta)は、次のように語っています。

「2年以上も地域の人々がこのレベルの混乱に耐えてきたことは非常に深刻であり、復旧への取り組みは常に最優先事項であるべきです。ハイウェイ1は単なる道路ではありません。それは地域経済の原動力であり、地域の誇りであり、カリフォルニアのロードトリップ文化そのものなのです」

2023年には、州の交通関係者や政治家を交えた戦略会議が州都サクラメントで開催され、地域への影響や持続可能な解決策について活発な議論が行われました。その結果として、「通行可能なエリアの魅力を発信し続ける」「関係機関間での情報連携を強化する」「地域のステークホルダーと継続的に連携する」といった方針が共有されました。

実際、現在でもビッグ・サーやラグド・ポイントなど多くのエリアは訪問可能であり、カリフォルニア観光局はこれらの場所の魅力を国内外に広く伝えるべくさまざまな取り組みを展開しています。特に注目すべきは、新たなロードトリップ・キャンペーン「Up Around the Bend」です。この映像はHighway 1のラグド・ポイントで撮影され、今年3月のアカデミー賞中継で全米に向けて初公開されました。現在ではアメリカのみならず、イギリス、メキシコ、カナダ、オーストラリア、中国でも放映され、世界中の旅行者の注目を集めています。


また、観光局は自社メディアや観光ガイド、ポッドキャストを通じて継続的に現地情報を発信。2023年にはナショナルジオグラフィック・トラベラー誌を含む476件のメディア露出を実現し、17億インプレッションという驚異的な効果を上げました。ジャーナリストやインフルエンサーの招聘も進めており、「行ける場所」をリアルに体感できる取り組みを強化しています。ベテータ氏はこれらの取り組みについて次のようにコメントしています。

「私たちの使命は、世界の人々が引き続きカリフォルニアを見つめ、体験できるようにすることです。カリフォルニアの“ゴールデンステート・スピリット”を讃え、前を向きながら、今できる旅の魅力を届けていきます」

「通行止め」という課題の中にあっても、カリフォルニアでの旅の楽しさは決して失われることはありません。今だからこそ見える景色、出会える人々がいる、そんなカリフォルニアでのロードトリップの扉は、これまでも、そしてこれからも、変わることなく私たちのために開いています。

カリフォルニア州交通局は、再開予定日および復旧作業の進捗状況について定期的に発信していくこと発表しています。Highway 1(California State Route1/SR-1)のドライブを計画する際は、カリフォルニア州交通局のサイトにアクセスして最新情報をチェックしておくと安心です。

California Department of Transportation
Web Site: https://dot.ca.gov/

Visit California
Web Site: https://www.visitcalifornia.com/jp/

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