Route 66を語るうえで欠かせない文化のひとつが、ドライブインやダイナーと呼ばれるアメリカ独特のレストランです。車で旅をする人々のために生まれたこれらの店は、20世紀アメリカのロードトリップ文化を象徴する存在でもあります。
その代表的なダイナーのひとつが、サンタモニカ(Santa Monica)のRoute 66終点エリアに近い場所に位置するメルズ・ドライブイン(Mel’s Drive-In)です。1950年代のアメリカを思わせるネオンサインとクラシックなデザインは、Route 66のイメージそのものといえるでしょう。

メルズ・ドライブインの名前が広く知られるようになったのは、1973年公開の映画『アメリカン・グラフィティ(American Graffiti)』がきっかけでした。この映画は1960年代初頭のカリフォルニアの若者文化を描いた作品で、夜の街を車で走りながらダイナーに集う若者たちの姿が印象的に描かれています。監督のジョージ・ルーカスにとっても、カリフォルニアのカーカルチャーを象徴する場所がダイナーだったのです。この映画の舞台となったのが、サンフランシスコにあったオリジナルのメルズの店舗でした。
そんなメルズ・ドライブインがサンタモニカにオープンしたのは2018年のこと。1959年に建てられ、長く親しまれてきたコーヒーショップの建物を活用・再生するかたちでこの場所での営業が始まりました。
駐車場に入ると、まず目に留まるのがカリフォルニアのRoute 66を描いた壁画です。カラフルな壁画は撮影スポットとしても人気があります。ダイナーの入口の床面には「Historic California US 66」「Route Ends Here」と記されたサインが設けられており、この場所がRoute 66の終点エリアであることを象徴的に示しています。


店内に入ると、赤いビニールシートのブース席やカウンター席、壁に飾られたクラシックカーの写真など、1950年代のアメリカを思わせる雰囲気が広がっています。メニューにはハンバーガー(おすすめはRoute 66 Burger!)、ミルクシェイク、パンケーキなど、アメリカンダイナーの定番料理が並びます。24時間営業ということもあり、遅い時間に足を運べばより地域に根ざしたアメリカンダイナーの文化に触れることができます。


メルズ・ドライブインは、「End of Trail」の看板があるサンタモニカ・ピア(Santa Monica Pier)からは車で約10分、Route 66の歴史的な終着点であるオリンピック・ブールバード(Olympic Blvd.)とリンカーン・ブールバード(Lincoln Blvd.)の交差点に位置します。駐車場も無料で用意されています。
Route 66が最も賑わっていた時代、多くのドライバーがこうした店に立ち寄り、長い旅の途中で食事や休憩を取っていました。ダイナーは単なるレストランではなく、ドライバーたちの社交の場であり、ロードトリップ文化の中心でもあったのです。サンタモニカのメルズ・ドライブインは、Route 66の終着点に位置し、その道が生み出したカーカルチャーを感じさせてくれる場所です。
Location / Address
photo:©plusroadtrip
Route 66とは?
1926年に誕生したルート66は、シカゴからロサンゼルスまで約3940kmを結んだアメリカを代表するハイウェイのひとつ。アメリカで初めて整備された番号付きの国道網「U.S. Highway System」の一部として誕生し、中西部と西海岸を結ぶ重要な幹線道路として発展しました。
1930年代には大恐慌と干ばつにより西へ移動する人々の“希望の道”となり、戦後は自動車による自由な旅を象徴する存在として広く知られるようになります。そして沿線にはモーテル、ダイナー、ガソリンスタンド、ネオンサインなど、アメリカ独自のロードサイド文化が生まれました。
1985年に国道としての役割を終えた後も、その歴史と文化的価値から「Historic Route 66」として保存・再評価が進められています。現在では各州で旧ルートが整備され、ドライバーは往年のアメリカ文化を感じながら旅を楽しむことができます。ルート66は単なる道路ではなく、アメリカの歴史とカーカルチャーを体験できる象徴的なルートです。そして2026年には誕生から100周年を迎え、いま再びその価値と魅力が世界中から注目されています。

