サンタ・クルーズ(Santa Cruz)のダウンタウンから南へ車で約10分。Highway 1 を走り、ほんの少し海側へと道をそれると、穏やかな入り江に面した小さな町、キャピトラ・ヴィレッジ(Capitola Village)が現れます。賑やかな サンタ・クルーズ・ビーチ・ボードウォーク(Santa Cruz Beach Boardwalk) の雰囲気とは対照的に、ここにはゆったりとした時間が流れています。色とりどりの建物がビーチに沿って並び、波の音が静かに響くこの場所は、カリフォルニアでも最も古いビーチリゾートのひとつといわれる歴史ある町です。
キャピトラ・ヴィレッジの歴史は19世紀半ばにさかのぼります。1860年代後半、この地は「Camp Capitola」と呼ばれる質素なテント村として始まりました。1874年には正式なビーチリゾートとして整備され、カリフォルニア州内でも早い時期に海辺の休暇地として知られるようになります。Soquel Creek の河口に位置する穏やかな入り江は波が比較的静かで、家族連れや長期滞在者にとって過ごしやすい環境でした。鉄道の整備が進むとサンタクルーズ山地と沿岸部が結ばれ、週末や休暇を楽しむ人々が訪れるようになり、Capitola は小さな保養地として発展していきます。
キャピトラ・ヴィレッジの象徴ともいえるのが、1924年に建てられたベネチアン・コート(Venetian Court)です。地中海風のアーチやパステルカラーの外観が印象的な建物群は、Capitola Beach と一体化するように並び、町の風景を形づくっています。高潮や嵐といった自然の脅威を受けながらもその姿を守り続けてきました。1987年には、初期の海辺リゾート建築を伝える歴史的建築群として国家歴史登録財に登録され、歴史地区として保護されています。

ビーチから沖へと伸びる Capitola Wharf は、1892年に最初に建設された歴史ある桟橋です。Santa Cruz Wharf よりも小規模ながら、どこか親密な雰囲気があります。釣りを楽しむ人や、ゆっくりと海を眺める地元の人々の姿があり、観光地でありながら生活の延長線上にある空間であることを感じさせます。入り江越しに見えるカラフルな建物群と海のコントラストは時間帯によって表情を変え、朝の柔らかな光や夕暮れ時の落ち着いた色合いもまた魅力的です。

町の中心部には、小さなブティックやギャラリー、カフェやアイスクリームショップが並びます。歩いて回れるコンパクトさが心地よく、海辺を散策し、桟橋を歩き、カフェで一息つく。その穏やかでゆったりとした時間こそが、この町の魅力です。
アクセスは Highway 1 から Capitola Road や Bay Avenue を経由して簡単にアクセスできます。ビーチ周辺には有料の公共駐車場が整備されています。週末や夏季は混み合うこともありますが、平日の午前中や夕方は比較的ゆったりと過ごせます。サンタ・クルーズ(Santa Cruz)からはもちろん、モントレー(Monterey)からも車で約1時間弱の距離にあり、海沿いのロードトリップの立ち寄り場所としてちょうどよい距離感です。
キャピトラ・ヴィレッジは、サンタ・クルーズの賑わいとも、レッドウッドの森の静けさとも異なる穏やかな表情を持つ場所です。海と町が寄り添う風景の中に、この土地の歴史と日常が息づいています。Highway 1 を走る旅の途中で、海辺の静かな時間に身をゆだねてみてはいかがでしょうか。
Location / Address
photo:©Praveen PN ©Bryan Garrison ©Daniel Gorostieta

